事業再構築補助金の第7回公募より新枠「緊急対策枠(原油価格・物価高騰緊急対策枠)」が追加されました!
申請開始は、8月中旬予定となっています。
新型コロナウイルスの影響が2年以上続く中、原油価格・物価高騰等の経済環境の変化により、一般家庭の家計の圧迫・企業のこれまで通りの事業の継続が厳しい状況に置かれている現状です。
これらを踏まえ、事業再構築補助金では、第7回公募より「緊急対策枠(原油価格・物価高騰緊急対策枠)」を追加。
新型コロナウイルスの影響に加え、原油価格・物価高騰の影響による業状が厳しい事業者を対象に、加点措置を行い、優先的に支援されます。
目次
事業再構築補助金とは?
改めて、事業再構築補助金とは、コロナ時代の今、変化する経済社会に対応するための事業再構築を支援してもらえる補助金です。
コロナウイルスの影響を受けた中小企業などが、事業再構築を試みるべく、新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編などに挑戦する場合、その事業にかかった経費を補助してもらえます。
事業再構築とは、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換または事業再編の5つのことを指します。
事業再構築補助金に申請するためには、これら5つのいずれかに該当する事業計画を策定する必要があります。
・新分野展開とは……主たる業種や事業を変更せずに、新しい製品の製造や、新しい商品、サービスを提供することで、新たな市場に進出すること。
・業態転換とは……今まで行っていた商品やサービスそのものは変えずに、製品などの製造方法の変更や、商品やサービスの提供方法を変更すること。
・事業転換とは……新たな製品の製造や、新たな商品、サービスを提供することにより、主たる業種を変更せずに、主たる事業を変更すること。
・業種転換とは……新たな製品の製造、新たな商品、サービスを提供することにより、主たる業種を変更すること。
・事業再編とは……会社法上の組織再編行為などを行い、新たな事業形態のもとに、新分野展開、事業転換、業種転換または業態転換のいずれかを行うこと。
緊急対策枠(原油価格・物価高騰緊急対策枠)とは?
事業再構築補助金では、第7回公募より、新型コロナの影響を受けつつ、加えてウクライナ情勢の緊迫化等による原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響により業況が厳しい中小企業者などが対象に緊急対策枠(原油価格・物価高騰緊急対策枠)が追加されました!
申請スケジュール
原油価格・物価高騰等影響を受けている事業者には加点措置を行い、優先的に採択
前回の第6回公募より、原油価格・物価高騰等のけ経済環境の変化の影響を受ける事業者には、加点措置を行い、優先的に採択されます。(緊急対策枠の新設は第7回より)
申請要件
事業再構築補助金の緊急対策枠の申請要件は、「事業再構築要件」、「緊急対策要件」、「認定支援機関 要件」、「付加価値額要件」の4つで構成されます。
「緊急対策枠」の補助金額・補助率
事業再構築補助金の「緊急対策枠」は、従業員規模に応じて、最大4,000万円まで、補助率3/4(一部2/3)で支援されます。
■補助金額
・従業員数
5人以下 100万円~1,000万円
6~20人 100万円~2,000万円
21~50人 100万円~3,000万円
51人以上 100万円~4,000万円
■補助率
中小企業:3/4
中堅企業:2/3
緊急対策枠の対象となる経済環境の変化の影響と事業再構築の例
【例1:資源高による影響】
・フライ菓子などの製造販売業者。
コロナの影響により実店舗への客足が減少していることに加え、原材料となる小麦粉、油などの価格が高騰する一方、商品単価の値下げが難しく、売上・利益率が減少。既存の加工技術を活かし、新たにドライフルーツの製品を製造する機器を導入。
原油価格・物価高騰の影響を受ける体制から脱却し新たな市場の開拓を図る。
【例2:直接的・間接的な輸出入の影響】
・明太子を製造・販売する事業者。
コロナの影響により飲食店向けの販売量が減少していることに加え、原料であるタラの卵はロシア産が多くを占めており、製造量を縮小せざるを得ず、売上が減少。
既存の加工技術を活かし、ねり天ぷらや出汁など国内産の水産物を用いた新たな製品を製造する工場を新設。
輸出入の影響を受ける体制から脱却するとともに、既存の販売経路に加え、EC販売も駆使し、感染症等の危機に強い事業として事業の展開を図る。
【例3:海外送金や現地駐在などの諸問題による影響】
・機械部品の商社。
コロナの影響により部品の調達に時間を要するなどの影響を受けていることに加え、ロシア企業と取引しているが、金融取引の制約によりロシアからの送金が止まってしまってり、ロシア企業からの代金を回収できない限り、コンテナを引き渡すことができず、売上が立たない厳しい状況。
機械商社のノウハウを活かし、機械部品専用のフルフィルメントサービス(倉庫業)を行うためのシステムを構築。
サービスの提供にあたっては、非対面での営業活動を徹底するとともに、取扱い商材のラインナップを大幅に増やし顧客層を拡大することでリスク分散を進めるなど、感染症等の危機の影響を最小限に抑えられるよう工夫しつつ、ロシア企業との関係に依存しない収入源の確保に取り組む。
まとめ
今回は第7回公募より事業再構築補助金の緊急対策枠(原油価格・物価高騰緊急対策枠)についてご紹介しました!
今後本コラムでも緊急対策枠に注目していきたいと思います!