事業再構築補助金のよくある質問と回答をまとめました

 

事業再構築補助金の第5回公募の申請受付が2022年2月17日より開始されました。

今回は、事業再構築補助金についての「よくある質問」と「回答」をまとめました!

事業再構築補助金についての疑問がある方はぜひご覧ください。

※この質問についての回答は、第5回公募時点で適用となる内容となっています。

事業再構築補助金は、第6回公募より申請要件の拡充や見直し、枠の新設など大幅に変更予定とされていますので、第6回公募以降には該当しない回答がある場合があることをご了承ください。

目次

補助対象者に対するよくある質問と回答

質問1.医療法人は対象?

 

回答:事業再構築補助金では、医療法にもとづき、社会医療法人が収益事業を行う場合のみ対象となります。

質問2. 持株会社は対象となる?

 

回答:持株会社も対象となります。

ただし、50%超の議決権を有する子会社は同一法人とみなされます。

質問3.「みなし法人」は対象?

 

回答:みなし法人は事業再構築補助金での補助対象者に含まれていないため、対象外となります。
みなし法人(人格なき社団)とは法人として登記されていないが、事実上法人として機能している団体であり、サークルや学会などが該当します。

質問4. 子会社が業態転換する際、親会社が申請できるか。

 

回答:子会社が業態転換をする場合は、親会社ではなく子会社が申請者になります。

なお、連結決算をしている場合には、親会社が応募申請して主たる事業実施場所を子会社とすることも可能ですが、その場合は親会社が付加価値額を増加する必要があることに加え、補助事業に係る財産管理などをふくむ、すべての責任を負う必要があります。

申請要件についての質問と回答

質問1.売上高減少は会社全体か、事業再構築する部門だけでいい?

 

回答:部門や事業別だけの売上高減少ではなく、会社(組合、団体等)の全体で確認する必要があります

売上高減少要件は以下のとおりです。

(a)2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月間の合計売上高が、コロナ以前(2019年または、2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少しており、(b)2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月間の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して5%以上減少していること。

※上記を満たさない場合には、次の項目を満たすことでも申請可能。

(a‘)2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計付加価値額が、コロナ以前の同3か月の合計付加価値額と比較して15%以上減少していること。

(b‘)2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計付加価値額が、コロナ以前の同3か月の合計付加価値額と比較して7.5%以上減少していること。

質問2.人件費の定義は何?

 

回答:人件費の定義は、法人、個人事業主によって異なります。

くわしくは以下のとおりです。

法人の場合

以下の各項目の全てを含んだ総額を人件費とします。

・売上原価に含まれる労務費(福利厚生費、退職金等を含んだもの。)

・一般管理費に含まれる役員給与、従業員給与、賞与及び賞与引当金繰入れ、福利厚生費、退職金および退職給与引当金繰入れ

・派遣労働者、短時間労働者の給与を外注費で処理した場合のその費用

ただし、これらの算出ができない場合においては、平均給与に従業員数を掛けることによって算出してください。

個人事業主の場合

青色申告決算書(損益計算書)上で以下の費目が人件費に該当します(丸数字は、所得税申告決算書の該当番号です)。

福利厚生費+給料賃金(⑲+⑳)

※個人事業主の付加価値額算定では、人件費の構成要素である㊳専従者給与(=ご家族の方等のお給料)および㊸青色申告特別控除前の所得金額(=事業主個人の儲け)の2項目を「人件費」に参入せずに計算します。

質問3.「コロナ以前」が2019年又は2020年1~3月を指しているとのことだが、任意の3か月として2021年1,2,3月を選択した場合、 2019年1~3月または2020年1~3月のどちらと比較してもいいのか。

 

回答:2019年1月~3月または2020年1月~3月とどちらと比較してもかまいません

また、2019年1月、3月、2020年2月のように、連続する必要はありません。

質問4.認定経営革新等支援機関や金融機関は、事業所の所在地域にある機関でなければならないのか。

 

回答:事業計画書の作成をサポートしてもらう認定経営革新等支援機関や金融機関は、事業所の所在地域にある必要はありません。ご希望の機関を選択可能です。

なお、認定支援機関(認定経営革新等支援機関)についての要件は以下のとおりとなります。

ア.事業計画は、認定経営革新等支援機関とご相談の上策定する。
イ.事業計画を認定経営革新等支援機関と策定し、「認定経営革新等支援機関による確認書」を提出する

ウ.補助金額3,000万円以下の事業計画は、認定経営革新等支援機関(地域金融機関、税理士等) と、補助金額3,000万円を超える事業計画は、金融機関及び認定経営革新等支援機関(金融機 関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)と共同で策定する。3,000万円を超える事業計画は、「金融機関による確認書」を提出する。
 エ.新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、認定経営革新機関等にご相談される際は、 事前に電話等で問い合わせをしたうえで、ご訪問ください。

事業再構築指針全般についての質問と回答

質問1. 売上高10%要件や売上高構成比要件を達成できなかった場合に補助金を返還する必要があるか。

 

回答:要件を達成できなかったからといって補助金を返還する必要はありません。

しかし、当然事業計画を達成することを前提とし、責任をもって事業に取り組むことは必要です。また、事業を継続せずに中止する場合は、残存簿価相当額等により、補助金交付額を上限として返還を求められます。

質問2.新規事業は必ず既存事業と関連した事業である必要があるのか。

 

回答:事業再構築補助金は「新分野展開、業態転換、事業・業種転換および事業再編」を行い、事業再構築を図る取組みが対象となります。

それらが必ずしも既存事業と関連している必要はありません。

実際に事業再構築補助金目的自体「企業の思い切った事業再構築を支援」と謳っていますので、「既存事業は○○なのに、○○を開始!?」という驚きの内容であってもいい(むしろそれがいい)ということですよね。

ただ、当然「実現性がある」ことも求められますので、既存事業の強みを活かしたり、弱みをカバーしたり、など既存事業となんらかの繋がりや新規事業を始めるまでのストーリ性はほしいところです。

・新分野展開とは…主たる業種や事業を変更せずに、新しい製品の製造や、新しい商品、サービスを提供することで、新たな市場に進出すること。

・業態転換とは…今まで行っていた商品やサービスそのものは変えずに、製品などの製造方法の変更や、商品やサービスの提供方法を変更すること。

・事業転換とは…新たな製品の製造や、新たな商品、サービスを提供することにより、主たる業種を変更せずに、主たる事業を変更すること。

・業種転換とは…新たな製品の製造、新たな商品、サービスを提供することにより、主たる業種を変更すること。

・事業再編とは…会社法上の組織再編行為などを行い、新たな事業形態のもとに、新分野展開、事業転換、業種転換または業態転換のいずれかを行うこと。

質問3.新分野展開、業態転換などの事業再構築の5つの類型のうち、採択されやすいものは?

 

回答:特定の類型が他の類型に比べ、一律に高く評価されることや加点されることはありません。

審査は公募要領に記載してある「審査項目」にそって、5つの類型について平等に行われます。

審 査 項 目

(1)補助対象事業としての適格性

「4.補助対象事業の要件」を満たすか。補助事業終了後3~5年計画で「付加価値額」年率平均3.0%((【グローバル V 字回復枠】については 5.0%))以上の増加等を達成する取組みであるか。

(2)事業化点

1. 本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。また、金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか。

2.事業化に向けて、競合他社の動向を把握すること等を通じて市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。

市場ニーズの有無を検証できているか。

3. 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。補助事業の課題が明確になっており、その課題の解決方法が明確かつ妥当か。

4.補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規模、生産性の向上、その実現性等)が高いか。その際、現在の自社の人材、技術・ノウハウ等の強みを活用することや既存事業とのシナジー効果が期待されること等により、効果的な取組となっているか。

(3)再構築点

1.事業再構築指針に沿った取組みであるか。また、全く異なる業種への転換など、リスクの高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものであるか。

2. 既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスの影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊要性が高いか。

3.市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの最適化を図る取組であるか。

4.先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベーションに貢献し得る事業か。

(4)政策点

1.先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。

2. 新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えて V 字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。

3. ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。

4.地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより、雇用の創出や地域の経済成長(大規模災害からの復興等を含む)を牽引する事業となることが期待できるか。

5.異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。また、異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。

(5)加点項目

【令和3年の国による緊急事態宣言の影響を受けた事業者に対する加点】

1.令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、2021 年 1 月~9 月のいずれかの月の売上高が対前年(又は対前々年)同月比で 30%以上減少していること。

(又は、令和 3 年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等による影響を受けたことにより、令和3年 1 月~9 月のいずれかの月の付加価値額が対前年又は前々年の同月比で 45%以上減少していること。)

2.上記1の条件を満たした上で、2021 年 1 月~9 月のいずれかの月の固定費(家賃+人件費+光熱費等の固定契約料)が同月に受給した協力金の額を上回ること。

参考:令和二年度第三次補正 事業再構築補助金 公募要領(第5回)

質問4.新たに取り組む分野、事業、業種に許認可が必要な場合、申請時点において既に取得している必要はある?

 

回答:許認可を申請前に取得しておく必要はありません。
もちろん補助事業実施期間や事業計画期間中に取得しても問題はありませんが、その場合事業計画書に許認可の取得見込み時期などを記載する必要あります。

補助対象経費についての質問と回答

質問1. 既に事業再構築を行って自社で支出した費用は補助対象となる?

 

回答:交付決定前に自社で補助事業を開始した場合は、基本的には補助金の交付対象とはなりません。

ただし、公募開始後に事前着手申請を提出し、事務局に承認された場合は、令和3年2月15日以降の設備の購入契約等も補助対象となります。

事前着手申請の手続きについて

早期の事業再構築を図るために必要となる経費について、補助金の交付決定前であっても事務局から事前着手の承認を受けた場合は、令和3年2月15日以降に購入契約(発注)等を行った事業に要する経費も補助対象経費とされます。

※事前着手が承認される=採択というわけではありません。事前着手を行い、仮に不採択となってしまった場合、経費は実費での負担となりますのでご注意ください。

なお、この事前着手申請についての特例は第5回申請まで継続されていますが、第6回以降は対象期間等の見直しが行われる予定です。

(1)受付期間
令和4年1月20日(木)~交付決定日まで

(2) 提出方法

応募される方は、本事業の申請とは別に、事前着手のための申請を事務局にjGrantsよりご提

出ください。

事前着手申請用URL:https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0W2x000004QAJcEAO

事前着手申請についてのご詳細は最新の公募要領をご覧ください。

質問2.補助金の支払はいつ頃?

 

回答:補助金が支払われるのは原則、補助事業終了後となります。

補助事業実績報告書の提出を受け、補助金額の確定後の精算払いとなります。

また、一定の条件のもとで概算払も可能です。

概算払の申請手続き等については採択事業者向けに公表されている「補助事業の手引き」をご確認ください。

質問3.リース費用は対象となる?

 

回答:機械装置・システム構築費に該当する設備に限り、リース費用も対象となります。

ただし、補助対象となるのは補助事業実施期間に要した経費に限ります。

質問4.ECサイトの運営開始にかかるシステム構築費用やランニングコストは対象となる?

 

回答:対象となります。

ただし補助事業実施期間内にかかる経費が対象です。また、単にデジタルプラットフォーム企業が提供するECサイトを利用して販路開拓を行うだけでは事業再構築指針の要件を満たさないため、注意が必要です。

申請手続きについて質問と回答

質問1.事業再構築補助金の申請に必要なGビズIDプライムの取得方法は?

 

回答:GビズIDは、1つのID・パスワードで様々な行政サービスにログインできるサービスです。GビズIDのHP外部リンクにある「gBizIDプライム作成」からアカウント発行申請ができます。

 

質問2.第1回公募に応募しているが、採択結果公表前に第2回公募に申請することは可能?

 

回答:採択結果公表前に重複して申請することはできません。
(複数回補助金の交付を受けることはできないため)

採択結果が不採択であった場合には、採択公表日以降に申請することが可能となります。

質問3.2つの事業を新規に始める予定であるが、1回の応募申請で2件を同時に申請して良いのか。

 

回答:事業計画書の中に複数の計画を記載することは可能です。

事業再構築補助金を複数回受けることはできません。

質問4.補助事業実施場所は応募申請時に決まっていないといけないのか。

 

回答:原則として応募申請時に決まっている必要があります。

ただし、特段の事情(土地の取得手続きをしている途中等)がある場合は、予定として応募をし、採択後に、交付申請時に事業計画書の修正等をする必要があります。

採択後の手続きについて質問と回答

質問1.採択決定後に辞退をすることはできるか。

 

回答:辞退は可能です。辞退する場合は、事務局に申請する必要があります。

質問2.設備購入の支払いは銀行振込払いのみか。

 

回答:支払の実績は、補助事業終了後の確定検査において、銀行振込の実績で確認するのが原則となります

手形、小切手、ファクタリング等による支払いは認められません。

くわしくは、採択事業者向けに公表されている「補助事業の手引き」をご確認ください。

その他の質問と回答

質問1.ものづくり補助金などの他の補助事業との併用は可能か。

 

回答:内容が異なる別の事業であれば、同じ事業者が異なる補助金を受けることは可能です。

ただし、同一事業で複数の国の補助金を受けることはできません。

質問2.持続化給付金・事業復活支援金の給付を受けているが、事業再構築補助金に申請することはできるか。

 

回答:可能です。上でご説明した通り同一事業で複数の国の補助金を受けることはできませんが、持続化給付金や復活支援金などの給付金は事業継続を支援することを目的とした使途に制約のない資金であって、補助金ではありません。

併用されることに制限はありません。

質問3.採択は申請の受付順か。早く申請した方が有利になるか。

 

回答:採択と申請受付順に関係はありません。

外部有識者等によって事業再構築の内容や事業計画を審査の上、事業目的に沿った優れた提案を行った事業者とみなされたものが採択されます。

まとめ

今回は、事業再構築補助金についての質問と回答をご紹介しました。

事業再構築補助金の第5回公募の申請は先週2022年2月17日より開始しています。

 

今後も事業再構築補助金について、あたらしい情報をお届けしていきます!

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