事業再構築補助金とものづくり補助金の違いは?

 

事業再構築補助金とものづくり補助金、どちらも新しい事業のための設備投資を補助してもらえるんだよね?

 
 

その通り。

 
 

じゃあ、その2つの補助金って、何が違うのかな?

 
 

いい質問だね。

たしかに事業再構築補助金とものづくり補助金は性質がよく似ている補助金なんだ。

どちらも新しい事業を始めるための設備投資を補助してもらえるという点は、同じだね。

 
 

そうだよね?

 
 

性質はよく似ているけど、もちろん同じではない。

その2つの補助金の違いは、ザックリ言うと、

 

①補助金事業の目的
②補助額・補助率
③補助対象者
④補助対象経費

 

の4つだ。

じゃあそれぞれの補助金の特徴と、この4つの違いについてもう少し詳しく説明していこう!

 

 

1.事業再構築補助金とは?

 

事業再構築補助金は、

ウィズコロナの時代の今、変化する経済社会に対応するための事業再構築を支援してもらえる補助金だよ。

 

コロナウイルスの影響を受けた中小企業などが、事業再構築を目的に、新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編などに挑戦する場合、その事業にかかった経費を補助してもらえるよ。

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なるほど。具体的にはどんな活用方法があるの?。

 
 

事業再構築補助金は、新型コロナウイルスの影響を受け、事業再構築をするための取組が対象となっていて、新しい分野の展開、全く異なる業種への転換、新しいサービスの導入、事業規模の拡大など活用用途や、対象の経費も幅広いんだ。


イメージしやすいように、活用の例を見てみて!

 

事業再構築補助金の活用の例

・飲食経営店舗が飲食スペースを縮小し、新たにテイクアウト販売を開始。


・飲食経営店舗がオンライン専用の注文ページを構築し、テイクアウトや宅配を開始


・衣服の店舗販売から、ネット販売形式に転換


・高齢者向けのデイサービスが一部事業を他者に譲渡し、病院向けの給食を新規に開始


・音楽教室が室内での密を回避するために、新たにオンライン形式での教室の運営を開始


・和菓子の製造販売を行っている事業者が、和菓子の製造過程で生成される成分を活用し、新たに化粧品の製造・販売を開始


・ガソリン販売を行っている事業者が、新規にフィットネスジムなどの運営を開始

など  

2.ものづくり補助金とは?

 

ものづくり補助金は、“ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金”の略称で、中小企業が生産性向上を目標に新商品や新サービスの開発、新しい生産方式などを行うための設備投資を支援してくれるんだ。

 
なるほど。
ものづくり補助金は、一般型、グローバル展開型、ビジネスモデル構築型にわかれていて、それぞれ内容や補助額などが違ってくるんだ!
そして、令和3年に、一般型の中に、新型コロナウイルスの感染拡大の状況に対応したビジネスモデルへの転換に向けた投資を行った場合の“低感染リスク型ビジネス枠”が新設されたよ。

ものづくり補助金の活用の例

事例①:生産機械製造業
・複数形状の餃子を製造可能な、餃子全自動製造機を開発

→海外での販売が好調で、餃子製造機において世界シェアトップに。

事例②:飲食業
・「食べられるクッキー生地のコーヒーカップ」の製造機械を導入し、生産効率が10倍に。

→女性客を中心に大ヒット。全国チェーン店でも流通。

目的が違う!

 

事業再構築補助金とものづくり補助金、どちらも新しい事業のための設備投資を補助してもらえる。

だけど、それぞれ補助金事業の本来の目的が異なるんだ。

 

事業再構築補助金は、コロナの影響を受けている経営者がコロナ後の社会に対応していくための事業再構築を目的としていて、

ものづくり補助金は、革新的な事業を行うことでの生産性向上を目的としているんだ。

 
なるほど。

補助額・補助率が違う!

事業再構築補助金とものづくり補助金、どちらも補助額が高額なイメージがあるけど、2つの補助金で金額の違いはあるの?
 

あるよ。

2つの補助額を比べると、

ものづくり補助金は、一般型の通常枠で最大1,000万円、事業再構築補助金は、通常枠の最大が6,000万円と上限額が大きく違ってくる。

 
 

本当だね。どちらも大きな額ではあるけど、事業再構築補助金の方が6,000万円と高額で、比べると大きな差を感じるね。

 

補助対象者が違う!

 

それから、ものづくり補助金の対象が、中小企業のみ(非営利活動法人も含む)なのに対し、事業再構築補助金は、中小企業、中堅企業も対象となっているんだ。

 
なるほどね~事業再構築補助金の対象者の方が幅広いんだね。
 

いや、一概にどちらの方が対象者が幅広いとは言い切れないよ。

 

ものづくり補助金は、ものづくりを行う企業すべてが対象となっているのに対し、事業再構築補助金は、コロナの影響を受けていることが前提となっているからね。

 

事業再構築補助金は、2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していることが条件となっているよ!

 

補助対象経費が違う!

 

ものづくり補助金と、事業再構築補助金はどちらも新規事業の設備投資を補助してもらえるんだ。

 

ただ、補助対象となる経費の内容は少し異なるよ。

双方の経費を見てみよう。

 

補助対象経費

ものづくり補助金 

 

事業再構築補助金

 

補助対象経費

機械装置・システム構築費、技術導入費

専門家経費

運搬費

クラウドサービス利用費

原材料費

外注費

知的財産権等関連経費

海外旅費
(グローバル展開型のみ)

広告宣伝・販売促進費
(低感染リスク型ビジネス枠のみ)

建物費

機械装置・システム構築費

技術導入費

専門家経費

運搬費

クラウドサービス利用費

外注費

知的財産権等関連経費

広告宣伝・販売促進費

研修費

海外旅費

(卒業枠、グローバルV字回復枠のみ)

 

違いがわかるかな?

 
え~っと、ほとんど同じに見えるけど…事業再構築補助金の補助対象経費には、建物費、研修費があるけど、ものづくり補助金にはないね。
 

よく気が付いたね。

それから、双方にある広告宣伝費・販売促進費というのは、今までものづくり補助金の対象外だったんだけど、

新設された、特別枠の低感染リスク型ビジネス枠の対象経費として追加されたんだ。

 

 
へ~。
ものづくり補助金の通常枠では、今まで通り対象外になるんだよね?
 

そういうことだね。

 

3.まとめ

 

今回は、事業再構築補助金とものづくり補助金の違い、

①目的②補助額・補助率③対象者④補助対象経費の4つを説明したけど理解できたかな?

 
 

なるほど。

どちらも似ている補助金だけど、本来の目的が違うから、対象者や補助対象経費も少しずつ違ってくるんだね!

 

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